贈与・遺贈 Q&A

Q27. 相談する際に、まだ何も決まっていなくても大丈夫ですか?

「何から話していいか分からない」「自分の考えがまとまっていない」……実は、私たちが受けるご相談の多くが、このような状態から始まります。結論から言えば、何も決まっていない段階こそが、専門家に相談する最高のタイミングです。

なぜなら、ご自身である程度方針を固めてから来られると、それが法的に実現不可能だったり、税金面で大きな損をする内容だったりして、一から作り直しになるケースが多いからです。何も決まっていない真っ白な状態であれば、私たちは以下の3つのステップで、お客様の想いを形にするお手伝いができます。

第一に、**「現状の可視化」**です。 お話を伺いながら、現在の推定相続人が誰で、どのような財産がどれくらいあるのかを整理します。家系図や財産目録を一緒に眺めるだけで、「あ、この子にはこれを遺してあげたい」「この不動産は早めに整理した方がいいな」といった本心が自然と浮き彫りになってきます。

第二に、**「選択肢の提示」**です。 お客様の「漠然とした願い」に対して、「それなら生前贈与が向いています」「遺言の方がリスクが少ないです」「家族信託という手もあります」といった具合に、プロの引き出しから複数の解決策を提示します。それぞれのメリット・デメリットを聞くことで、お客様は消去法ではなく、納得感を持って道を選ぶことができます。

第三に、**「リスクの早期発見」**です。 何も決まっていない段階でご相談いただければ、「このままでは将来、この部分でもめるかもしれません」というリスクを事前に察知し、先回りして対策を打つことができます。病気と同じで、法的なトラブルも「早期発見・早期治療」が最もコストも精神的苦痛も少なくて済みます。

 

「こんな初歩的なことを聞いてもいいのか」と遠慮する必要は全くありません。行政書士は、お客様の心の中にある「形にならない想い」を、法律という言葉を使って整理する**「思考のパートナー」**です。まずは世間話をするような感覚で、お気軽にお話しください。そこから、あなたとご家族の安心への第一歩が始まります。