贈与・遺贈 Q&A

Q21. 不動産を贈与する場合、名義変更はどうすればいいですか?

不動産の贈与は、現金の贈与とは比較にならないほど手続きが複雑です。単に「あげる」と約束して鍵を渡すだけでは不十分で、法務局にある「登記簿」上の名義を書き換える(所有権移転登記)手続きを行わなければ、第三者に対して「自分の家だ」と主張することができません。

手続きの大きな流れは、まず**「贈与契約書の作成」**から始まります。この契約書は、法務局へ提出する「登記原因証明情報」の基礎となる重要な書類です。不動産の正確な表示(地番や家屋番号など)を登記簿謄本通りに記載しなければなりません。

次に、**「必要書類の収集」**です。あげる側は「登記済権利証(または登記識別情報)」「印鑑証明書(3ヶ月以内)」「固定資産評価証明書」などが必要になります。もらう側は「住民票」が必要です。これらの書類を揃え、登記申請書を作成して法務局へ提出します。

ここで注意すべきは、**「コスト(税金と手数料)」**です。不動産の名義変更には、以下の3つの公的な費用が発生します。

  1. 登録免許税: 法務局へ支払う印紙代です。贈与の場合、固定資産評価額の「2%」がかかります(相続の場合は0.4%なので、5倍の差があります)。

  2. 不動産取得税: 贈与を受けた後に都道府県から請求される地方税です。軽減措置が受けられる場合もありますが、事前に試算しておく必要があります。

  3. 贈与税: Q6で述べた通り、不動産の評価額に応じて発生します。

行政書士の役割は、この手続き全体の「司令塔」となることです。私たちは登記の原因となる贈与契約書の作成や、戸籍の収集、全体のスケジューリングを行い、実際の登記申請については提携している司法書士にバトンタッチします。2024年4月から「相続登記の義務化」が始まりましたが、生前贈与による名義変更も、適切に行っておかなければ将来「所有者不明土地」となり、子供たちが売却も解体もできなくなるリスクを孕んでいます。私たちは、税金・法律・実務の三方から、お客様にとって最も負担の少ない不動産承継をサポートいたします。