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千葉ニュータウン新聞

●終活とは 

「終活」(しゅうかつ)という言葉も最近雑誌等で取り上げられて、知っている方も多いと思います。しかし、「終活」はある一つの特定のものを指すのではなく、「人生の終わりに向けた活動」の略で、具体的には、介護のこと、葬儀のこと、お墓のこと、身の回りの生前整理のこと、財産を誰に残すかなどを準備することを指し、多岐にわたっています。

ところが、これまでは自分の死を前提とした話題を口にすることは、「縁起でもない」と敬遠され、家族でも相談することははばかれてきました。

現在では、死後に向けた事前準備だけでなく、「自分の人生の終焉を考えることによって、残された人生をより良く生きるための活動」という前向きな意味に広がりつつあります。

●終活が必要な理由

 「残された人生をよりよく生きるため」といっても、自分が望む終焉を迎えるためには、知識を身に付け、選択をしていかなければなりません。

そこで、自分の希望や要望を事前に決めて家族等に伝えておくことが必要になったのです。

さらに、平均寿命が延びるとともに、平均寿命と健康寿命※との差=「健康でない期間」のことが取り上げられています。男性で9年、女性で12年、日常生活に制限がある「健康でない期間=不健康である期間」のことです。そうした老後の不安を抱えて、せめて自分が亡くなるときに遺される配偶者や子に手間や金銭的な負担をかけず、迷惑にならないように準備をしておきたいと考えるようになるのはごく自然ではないでしょうか。

※健康寿命=「健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

●終活の内容や順序

終活の内容や順番にこれといった決まりはありませんが、多くの人が取り組むものとして次の10項目があげられます。

①エンディングノート

②葬儀の準備、お墓の準備等

③遺言

④家族信託契約

⑤財産管理委任契約

⑥任意後見契約

⑦死後事務契約

⑧見守り契約

⑨延命治療に関する希望(尊厳死宣言)

➉生前整理

●終活のメリット

 終活を行うメリットにはどのようなものがあるでしょう。

①遺された家族の負担を減らす

 葬儀やお墓など何も決められていない状態でお亡くなりになった場合、家族はそれを短い時間に決めなくてはなりません。エンディングノートに自分の希望することを書いていれば、遺された家族は、それを見て葬儀等の段取りを行うことができます。

②人生の振り返りができる

 終活の目的には、、資産やモノの整理がありますが、これまで培ってきた人間関係や自分の人生を振り返るという大きな目的もあります。

③残りの人生を充実させることができる

 人生の最期を考える終活は、これからの人生を明るく楽しく暮らすための良い指標になります。

④「死」に対しての不安を解消できる

 これまでは死に関する話題は、縁起が悪いとされていました。しかし、終活に取り組んだことで、自分自身に整理がついて、不安が解消できるのです。

⑤遺産相続のトラブルを回避できる

 ご自分の死後、遺されたご家族が遺産相続のトラブルとなり、ご家族の仲が壊れてしまったということをよく聞きます。あらかじめ財産の分配や相続方法について決めておき、家族信託や遺言でご自身の意思をはっきりと示していれば、トラブルは回避できるかもしれません。

 

 次回はエンディングノートについて書かせていただきます。