相続の方法

相続とは

 相続とは、ある人が死亡した場合に、その亡くなった人(被相続人)が保有していた全ての財産や権利・義務を、配偶者や子供など一定の身分関係にある人(相続人)が受け継ぐことを言います。

 亡くなった人は生前、さまざまな資産を持ち、負債を抱えています。権利を持ち、義務を負っていることもあるでしょう。

 人は多くの場合、賃貸借契約や売買契約等、まだ未達成のまま亡くなることがあります。それに対応することが相続制度の意味であり目的です。

 相続制度そのものは戦前から存在しており、戦前に「戸主」という制度が存在し、その中で戸主の長男が「家督相続」ですべてを相続していました。

 この戸主の制度ですが、これは、戸主がまだ亡くなっていなくても、戸主自身の意思で「隠居」をすることにより家督相続人に戸主の財産を家督相続させるというものです。

 この戸主の財産は、個人の財産ではなく、家の財産ということでしょう。

 そして、家督相続のために養子縁組が頻繁に行われていたほどです。

 この家督相続の制度は、昭和22年5月2日までに開始した相続については、適用されています。

 

 さて、現代ではこのような長男が全ての財産を相続するということは、全員の合意なくしてはできません。また、そのような遺言があったとしても遺留分侵害額請求をすればそれを防ぐことができます。

 しかし、法律に詳しくない長男が、女性の兄弟姉妹の相続を排除したり、次男以降の兄弟にも相続の割合を極端に減らした相続を行っていることも実際には起こっています。

 

相続には4つの方法がある

 相続の方法として次の4つの方法があります。

 ・遺言書による財産指定

 ・遺産分割協議による分割

 ・遺産分割調停

 ・家族信託契約による指定

 

 相続においては、被相続人(亡くなった方)が遺した遺言書による指定が最優先されます。

 ただし、遺言書があったとしても相続人全員の合意があれば、遺言書と違った内容にすることも可能です。

 また、(兄弟姉妹以外の)相続人は、法定相続の1/2より少ない内容であった場合、法定相続の1/2を請求する権利を持っています。これを遺留分侵害額請求権といいます。

 遺言書は公定証書遺言と自筆証書遺言でおよそ10%くらいの普及率といわれています。

 

 一般に多いのは遺産分割協議による分割です。一般には遺言書・家族信託契約で指定のない財産に関しては、相続人同士の遺産分割協議により分割することになります。もし、その協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割の調停を行うことになります。

 

 その他で相続を指定するのが、家族信託契約による指定です。信託契約に関しては、基本公正証書で契約書を締結し、委託者の財産を受託者が管理する方法で、その契約書に書かれた内容で残余財産の権利帰属を指定できますので、いわゆるこの部分が遺言的役割を果たします。

 

相続の手続き

1.遺言書の有無

 私たち事務所でも、一番最初に確認することは、遺言書の有無です。相続においては、原則遺言書が優先されます。ですから、相続人はその遺言書がないかを調べることになります。

 遺言書が保管されている場所として、自筆証書遺言であれば、自宅においては仏壇や箪笥及び机の引き出し等に、2020年7月10日以降であれば法務局の可能性もあります。

 公正証書遺言であれば公正役場に行って調べることができます。

 

2.推定相続人、法定相続人、相続人との違い

 推定相続人とは、ある人が現時点で亡くなったと仮定して、その相続人になるはずの人のことです。まだ亡くなっていない時点での予測によって「推定」という言葉が付いています。

 

 法定相続人とは、ある人が亡くなった場合において、相続人になるはずの人のことです。推定相続人とほぼ同じ意味です。被相続人が亡くなる前に「推定相続人」であったものが、亡くなった後には「法定相続人」と言葉が変わります。

 

 相続人とは、法定相続人の中で、実際に相続することになった人です。法定相続人であっても、実際には相続をしない人もいるので、法定相続人=相続人とはなりません。

 

3.相続人調査と相続人の確定

 遺産分割協議による分割をするには、法定相続人どうしの協議をしなければなりません。その法定相続人になる人は、法定順位で定められています。

 

下図:相続人関係図

 上記以外では、離婚した場合があげられます。

 離婚した場合、それぞれの相続権はどうなるのでしょう。

 

 離婚した配偶者→相続権なし

 婚姻中の配偶者は常に相続人となります。

 離婚により姻族関係が終了して「他人」となるため、元配偶者について相続権はありません。

 

 元配偶者との間に生まれた子→相続権あり

 子がいる夫婦が離婚しても、子と親の法的関係はなくなりません。そのため、元配偶者との間に生まれた子についても「子」として相続権があります。

 

 再婚相手→相続権あり

 配偶者は当然に相続人となり、相続権があります。

 

 再婚相手との間に生まれた子→相続権あり

 子として当然に相続権があります。

 

 再婚相手の連れ子(養子縁組あり)→相続権あり

 養子縁組を行うことで、再婚相手の連れ子に相続権を生じさせることができます。

 

 再婚相手の連れ子(養子縁組なし)→相続権なし

 再婚相手に第三者との間に生まれた子は、再婚をしただけでは法律上の「子」とは言えず、相続権はありません。

 

 

 さらに、相続順位により相続分が定められています。

 遺産分割協議により誰がどれくらい相続するかは自由に決められますが、調停等での相続は法定相続分に従って決定されます。

 

下図:法定相続分

4.代襲相続

 代襲相続とは、生きていれば相続権がある人がすでに亡くなっている場合や、相続欠格、相続排除によって相続権を失ったりした場合、その直系卑属である子などがその地位を引き継いで相続権を持つことを言います。代襲相続は、直系尊属(父母や祖父母など上の代)には適用されません。

 代襲相続人になるのは、被相続人の子や兄弟姉妹の子です。

 代襲相続は直系卑属であれば、何代でも続きます。

 

相続欠格;相続秩序を侵害する非行をした相続人の相続権を、法律上当然として剥奪する制裁措置です。

相続排除;虐待や重大な侮辱を受けた人が、家庭裁判所へ請求することにより相続人の資格を奪うことを言います。

5.養子縁組の有無

 確認しなければならないのは、養子縁組の有無もです。

 養子縁組とは、血縁関係とは無関係に法律上の親子関係を発生させることを言います。

 相続においては、養子も実子も同様に扱われます。

 

 被相続人に別れた配偶者がいて、そのご再婚している場合、連れ子との間に養子縁組が成立しているか否が重要になります。被相続人と連れ子が養子縁組していると、配偶者だけでなく連れ子も相続人になります。しかし、被相続人と連れ子との間に養子縁組がされていなければ、相続人は妻だけになります。

 また、別れた配偶者との間にできた子は、相続人になります。相続割合も実子と同じ割合です。

 

6.嫡出子と非嫡出子(婚外子)

 亡くなった方の相続人の中に嫡出子と非嫡出子がいても、相続分割合は平等です。

 

コラム

相続する前に知っておくべきこと5つ

被相続人が亡くなった時から、相続は始まっています。

まず、相談に来る前に、以下の5つを理解しておきましょう。

1)遺言書はあるのか

2)負債はどれくらいあるのか

3)生命保険に入っているのか

4)相続人は何人いるのか

5)相続財産はいくらあるのか

以上、5つはすべて分かっているわけではありませんが、わからないのであれば、わからないと言えるようにしておきましょう。

特に、2)の負債はほとんどの方がわかりません。わからないのに隠してしまうと、後で大変なことになるかもしれません。

わからないのなら、正直にわからないと告げましょう。

相続全体の目次

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