婚姻費用分担

婚姻費用とは

 婚姻費用(婚姻から生ずる費用)とは、夫婦と未成熟子によって構成される婚姻家族が、その資産、収入、社会的地位等に応じた通常の社会生活を維持するために必要な費用をいいます。

 具体的には、通常の衣食住の費用の他、子の教育費・出産費、医療費、交際費等も含まれます。

 

 さて、その婚姻費用が問題になるのが、夫婦が別居状態に至ったようなときです。

 通常、妻は出産や子育てを経ていますので、夫のような収入はありません。

 収入がなければ生活をすることすらできなくなります。

 夫婦間の婚姻関係が事実上破綻した状態で別居する夫婦間おいても、法律上婚姻関係が継続している限り、原則として婚姻費用の義務者はその負担を免れえないとされています。

 

婚姻費用の算定方法

 婚姻費用の算定は、標準算定方式を使用し、それは義務者、権利者、及び子が同居している、又は子がいないを仮定して、義務者、権利者双方の基礎収入の合計を世帯収入ととみなし、その世帯収入を権利者グループ・義務者グループの生活費の指数で按分し、義務者が支払うべき婚姻費用の額を定めるというものです。

 

 そして、それは算定表を使って、導き出します。

 算定表参照

 

義務者の債務(住宅ローン等)は婚姻費用に影響するか

 婚姻費用分担の権利者である妻が住宅ローンの対象物件に居住し、義務者である夫が別途住宅の家賃を負担しているような場合には、通常の居住費相当額の限度で、婚姻費用の分担額から住宅ローンの支払分を控除することが認められる余地があります。

 実際の40代~50代の夫婦であれば、かなりの確率でこのパターンではないでしょうか。

 

持ち出した預貯金は婚姻費用に影響するか

 妻が持ち出して生活費としてすでに使ってしまった夫の銀行口座を、婚姻費用分担としてできるかですが、控除は認められるでしょう。婚姻費用分担の算定において考慮しなかった場合は、離婚時の財産分与で清算することになります。

 

婚姻費用分担額を変更することはできるのか

 婚姻費用というのは、義務者、権利者双方の基礎収入の合計を世帯収入ととみなし、その世帯収入を権利者グループ・義務者グループの生活費の指数で按分し、義務者が支払うべき婚姻費用の額を定めるというものです。

 別居当時設定した婚姻費用であっても、その後相手方が仕事を始めて収入が入るようになった場合、婚姻費用分担額の増減額を請求することは認められます。

 


基本的な離婚業務の流れ

(1) (夫、妻)からの離婚協議書作成依頼

(2) 委任状、同意書を受領

(3) 依頼者から着手金・実費預り金を受領

(4) 戸籍、住民票調査

(5) 他方へ通知書発送

(6) 他方より依頼しない旨の通知があれば、この段階で終了し、家庭裁判所での調停を紹介します

(7) 他方より委任状の提出があれば、面談のうえ、依頼者の要望に対する意見を聞きます

(8) 関連財産調査

(9) 離婚協議書案を作成し、双方に確認していただきます

(10)  双方が合意すれば、内容を離婚協議書原案として作成し、公証役場へ提出します

(11)  双方へ公正証書を引き渡します

(12)  残金、実費精算を行います

※ なお、公正役場は平日のみの営業のため、双方が出席できないことも考えられますし、お互いに顔を合せたくないため出席しない場合が考えられます。その場合のオプションとして代理出席も承っております。