離婚慰謝料には、離婚を招いた個々の有責行為、例えば、離婚原因となる個々の暴行、虐待、不貞行為などによる権利侵害によって生じた精神的苦痛の慰謝(離婚原因に基づく慰謝料)と、離婚そのものによって生じる精神的苦痛の慰謝(離婚そのものの慰謝料)が含まれます。
慰謝料の算定基準
離婚慰謝料の算定にあたって、判例は、婚姻関係が破綻した経緯、有責行為の態様・程度・期間、関係修復への努力の有無、婚姻期間、婚姻生活に対する誠実さ、当事者の年齢、経済状態、離婚後の状況など一切の事情を考慮して判断します。
算定基準について、どの事由でどの程度の金額を認めるのか、客観的な基準は見出せませんが、200万円~300万円が多く、500万円を超えることは少ないような状況です。
慰謝料と財産分与の関係
財産分与と慰謝料の関係について、最高裁は「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実施上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするものであって、分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が離婚につき有責のものであることを必要としないから、財産分与の請求権は、相手方の有責な行為によって離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことに対する慰謝料の請求権とは、その性質を必ずしも同じくするものではない。したがって、すでに財産分与がなされたからといって、その後不法行為を理由として別途慰謝料の請求をすることは妨げられないというべきである。」(最判昭46.7.23)
慰謝料請求権の消滅時効
慰謝料請求権の消滅時効は、「加害者及び損害を知ったとき」から3年ですが、不倫など離婚に至る原因行為についての慰謝料を請求するのか、離婚自体の慰謝料を請求するのかで、起算点が変わってきます。前者の場合、第三者との不倫を知ったときから3年、後者の場合は、離婚が成立してから3年となります。
内縁の不当破棄の慰謝料に関しては、その関係が内縁と評価されるものであれば、慰謝料請求が可能です。
不貞行為は、不貞行為をした配偶者とその相手方による共同不法行為ですので、不貞をされた他方配偶者は、その両者に対して損害賠償(慰謝料)請求ができます。仮に、配偶者から慰謝料を受領したとしても、不貞相手の相手方に対しても別に請求することができます。
配偶者の不貞行為の相手に対する慰謝料を請求するには、配達証明付き内容証明郵便などの書面で請求し、当事者で話し合いをして示談(和解)する方法があります。話し合いがまとまらなければ、調停又は裁判を利用して請求します。
(1) (夫、妻)からの離婚協議書作成依頼
(2) 委任状、同意書を受領
(3) 依頼者から着手金・実費預り金を受領
(4) 戸籍、住民票調査
(5) 他方へ通知書発送
(6) 他方より依頼しない旨の通知があれば、この段階で終了し、家庭裁判所での調停を紹介します
(7) 他方より委任状の提出があれば、面談のうえ、依頼者の要望に対する意見を聞きます
(8) 関連財産調査
(9) 離婚協議書案を作成し、双方に確認していただきます
(10) 双方が合意すれば、内容を離婚協議書原案として作成し、公証役場へ提出します
(11) 双方へ公正証書を引き渡します
(12) 残金、実費精算を行います
※ なお、公正役場は平日のみの営業のため、双方が出席できないことも考えられますし、お互いに顔を合せたくないため出席しない場合が考えられます。その場合のオプションとして代理出席も承っております。