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千葉ニュータウン新聞(身体のこと)

終活

今回のテーマは身体のこと

 皆さん、終活と聞くと何を連想されますか?人によってそれぞれですが、多くの人が「節税」という項目が浮かぶようです。お金を持っている、持っていないにかかわらずです。でも、それって終活ですか?配偶者や子に財産を残し、それで税金を取られないようにすることが終活ですか?

 確かに財産を残すことは終活の一部ですが、これが「人生の終わりに向けた活動」で、一番大事なことでしょうか?あなたにとって、一番大切なものは、あなた自身。つまり、あなたの身体ではないですか?だから、財産はまず自分のために使って、その残りを遺された家族に有効に残すように考える方がよいのではないでしょうか。

家族はあなたの身体のことを知っていますか?

 最近の一般的な家庭では、親と子は別居しています。だから、あなたのことを子は詳しく知りません。多分、「具合が悪そうだ」「どこそこが悪い」程度でしょう。

 せめてエンディングノートに病気のことやかかりつけ医のことを書いてないと、誰も知らない状態になってしまいます。

 また、自分が要介護になった場合のことについて、在宅介護を希望するのか(たいていは、在宅介護を希望すると言われますが、要介護状態で自宅にいて、家族に負担をかけてしまってもいいのか、も考えなければなりません)、状況によっては施設でもかまわないのかを考え、はっきりと伝えなくてはなりません。今元気なうちに!

延命治療のこと

 病状が進んだ場合、延命治療のことも考えなければなりません。

延命治療=一般的には、人工呼吸器を思い浮かべる方が多いでしょうが、その他に胃ろう等もあり、治療しなければ死に至る病気や障害を負った場合に、治療しても回復の見込みがない状態で、生命維持活動を保持するための治療のことを指します。

今の医学では、回復の見込みがない状態でも死期をある程度引き延ばすことはできます。

延命治療を本人が望んでいるのであればやっていいかもしれませんが、延命治療を実施する終末期になると、意思判断能力を持った患者は少ないでしょう。そのため、判断能力のないまま医師の判断に任せて治療をしてしまうと、患者自身が意に反して生き延びなければならないという選択しかできなくなります。

その場合、家族の意思によって延命治療をやめさせることもできますが、延命治療をやめると同時に患者は亡くなってしまうため、家族がその判断をするには大きな負担となります。

また、延命治療はあくまで治療になるため、医療費として料金が発生します。延命治療をすればするほど、治療費が掛かってしまい、金銭的な負担が大きくなってしまいます。

延命治療をしないためには

 次に「延命治療をしない」という判断をあらかじめする方法についてご紹介します。

 リビング・ウィルという、延命治療にたいして「末期的な状態ならば延命治療をしないでくれ」と、元気なうちにその意思を書類に残しておく方法があります。

 リビング・ウィルの書類を作成する方法には、尊厳死宣言公正証書日本尊厳死協会が発行している事前指示書があります。尊厳死宣言公正証書は、公証人によって記載内容が法律に違反がないかを確認して作成する文書で、証明力が強く信頼性がある文書です。

 ただ、日本では安楽死と尊厳死に関する法整備はされておらず、法的には有効とは言えません。しかし、医療の現場では尊厳死宣言公正証書を提示すると、90%の割合で尊厳死を許容しているようです。

尊厳死宣言公正証書

 尊厳死宣言公正証書には以下の内容が書かれています。

 ・病状が完治せず、死期が迫っている状態になったときは延命治療を拒否する。

 ・ただし、苦痛を和らげる処置はしてほしい。そのために死期が早まってもかまわない。

 ・尊厳死を容認した医師や家族に対して、訴追の対象としないようお願いする。

 ・家族の了解も得ている。

 ・これは、精神が健全な状態にある時にしたものであり、精神が健全な状態にあるときに私自身が撤回しない限り、その効力を維持する。

次回は、葬儀、お墓のことについて書かせていただきます。

 

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